ホワイト企業には欠かせない!インターナル・マーケティングとは

理念からつくるホームページ制作会社、アットノエル代表の水上です。

僕は起業する時、「会社という組織とは」「何を大切にすべきか」「会社と社員とクライアントの関係性」ということを、ひたすら考えていました。

それまで自分が社員として勤めていた会社とは、違う働き方がしたかったからです。

これからどんな会社をつくりあげていくのか、その答えを持つためにも、自分なりに「会社という組織の本質」を見つけたかったんですね。

そのヒントとして「インターナル・マーケティング」という考え方がとても参考になったため、ご紹介させていただきます。

本業であるWebサイト制作とは直接的には関係しないお話かもしれませんが、「ブランディング」という観点では、まったく関係ないとも言えませんのでお付き合いくださいませ。

会社にとって一番大切なものは何か

会社にとって一番大切なものは何か、それぞれの企業・経営者によって様々な意見・考え方があります。

「会社にとって一番大切なのはもちろん顧客だ」
「いやいや、株式会社にとって大切なのは株主だ」
「取引先なくしてうちのビジネスは成立しない」

様々な意見があるでしょう。

この記事を読んでくださっているあなたは、どんなイメージをお持ちでしょうか。

セミナー等で登壇させていただく際にはよくお話させていただくのですが、私は下記のようなイメージを大切にしています。

会社はお客さまのために商品・サービスを提供する。

そのためには、社長(管理職)が社員を大切にし、社員が楽しく、一生懸命働く。

そして、社員の働きがお客さまが満足させ、その結果、会社に利益をもたらす。

つまり、各立場によって、向くべき方向、重要視するべきものは異なるということ。

「社員の幸せが顧客の満足につながり、顧客と社員の幸せを両立することができる。」

これが私のたどりついた答えです。

この考えが、実は「インターナル・マーケティング」という概念にもの凄く近いんですね。

みなさんはこの「インターナル・マーケティング」という言葉をご存知でしょうか?  

インターナルマーケティングとは

特にサービス業において、顧客満足(CS:Customer Satisfaction)を与えるような教育と動機付けを、企業が接客要員とそれを支える従業員に対して与えることをいう。製品のマーケティングとは異なり、サービス・マーケティングでは、その生産と消費は同時に行われ、しかも、顧客の参加が前提となる場合が多い。そのため、従業員の満足度や動機付けが、そのまま顧客満足に影響を及ぼす可能性が高く、インターナル・マーケティングの重要性が認識されるようになった。企業が立案した顧客満足達成のための職務を従業員が的確に行ってくれることがその狙いである。これに対し、従業員が顧客との相互作用的な関係の中で行うマーケティング(主に接客業務)はインタラクティブ(interactive)・マーケティングと呼び、さらに、企業本体が直接、顧客に対して働きかける通常のマーケティング活動をエクスターナル(external)・マーケティングという。サービス・マーケティングでは、これら3つのタイプのマーケティング活動がうまく連動することで、顧客、従業員、企業の満足や利益が得られると考えられる。 (高橋郁夫 慶應義塾大学教授 / 2008年)

コトバンクより引用

簡単に噛み砕くと、「従業員満足度を上げることで顧客満足度の向上を図り、企業の利益を生み出す」という考え方です。

逆に言えば、「従業員満足度」をないがしろにしたまま「顧客満足度」の向上、維持は、難しいということ。

インターナル(=内部の)マーケティングという言葉どおり、一般顧客や市場ではなく、社員を対象に働きかけるマーケティングということになります。

インナーマーケティングと呼ぶこともありますが、意味は同じという理解で良いでしょう。

 

ディズニーランドに見るインターナル・マーケティングの重要性

東京ディズニーランドを運営しているオリエンタルランドや、コーヒーチェーンのスターバックス。顧客満足度が高く、また働きがいのある会社として有名です。これらの企業は、インターナル・マーケティングに通ずる概念を仕組みとして取り込み、実践しているようです。

ではこの「インターナルマーケティング」、具体的にどんなことをしていけば良いのでしょうか。

大企業でなくとも、中小企業でも実施することはもちろん可能です。

私の経営する会社で行っている取り組みや、クライアントへアドバイスしている考え方等をいくつか挙げてみましょう。 

なお、Google Scholar(Googleの学術文献検索サービス)でも検索してみると興味深い研究レポートなどがたくさん見れます。

よろしければこちらもご覧になってみてください。

»インターナルマーケティング – Google Scholar

 

中小企業でもできるインターナル・マーケティング事例・施策

社員の声に耳を傾ける

社員が何を考えているのか、どんなことに喜びを感じ、どんなことに働きづらさを感じているのか、しっかり把握する必要があります。これは時に、経営者・経営陣の方からすれば勇気のいることかも知れませんが、「聞くこと」「耳を傾けること」は会社の規模は関係なくできることです。

また、これは単に一度アンケート等をとれば良いわけではありません。一般的な市場動向が変わっていくように、社員が求めることも変化し続けます。継続的に意見を拾い上げるためにも、また、自由に意見が言い合えるためにも、ボトムアップ型と呼ばれる風土(現場からの意見を吸い上げ、採用し、全体をまとめていく管理手法)が必要不可欠です。

そのためには、常日頃からどんなコミュニケーションをとっていくのかも含め、その仕組づくりが重要です。

会社のビジョン・価値観を共有する

会社の未来は、働いてくれる社員たちの未来に大きく影響します。会社の理念に基づく価値観の共有も欠かせません。この先、どんな未来が待っているのか。どんな価値観を持って仕事、お客さまに向き合うのか。

まずもって、会社のビジョンやミッション、経営理念など、きちんと言語化したうえで、それらが浸透していく仕組みづくりが大切です。

  • 会社の事業計画や今後の方針、現状など、可能な限り共有する。
  • 日常的に大切なことは何度でも繰り返し伝える。
  • 価値観や判断基準に触れられる機会・環境づくり。

関連記事:会社のミッションを作成して起きはじめた変化

フィードバック

結果として、お客さまに満足してもらえているのか。それらの成果を共有、評価する仕組みづくりが大切です。満足してもらえている部分があれば、「これでいいのだ」とその後も自信を持って仕事に取り組むことができる。まだまだ改善の余地がある部分は、工夫することができる。

評価制度・褒章制度等を通じてモチベーションを生み出していくのも良いアイデアです。

関連記事:給与体系・評価制度の見直しで考えたこと

丁寧な採用

新入社員はもちろんのこと、アルバイトやパートさん、雇用形態問わず、求人・採用活動を本気で取り組んでいますか?

特に少人数の会社ほど、写真が一人増えた、変わった場合の影響は大きいものです。一方で、そういった小さな会社ほど、採用後の教育制度も整っていないことが多いのではないでしょうか。

  • どんな人材を採用するのか明確にすること。
  • 応募者にこれから働く環境や姿勢をきちんと理解してもらうこと。

履歴書や簡単な面接だけで採用するではなく、会社と応募者、双方をより理解したうえで採用する仕組みが重要です。

関連記事:「入社してみないとわからない」をなくす!ATTNOELの採用フロー

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ホームページのリニューアル等を通じて、弊社のお客さまである中小企業経営者さまから、こういった経営に関するご相談をいただくことも少なくなく、今回このような記事を書かせていただきました。

多くの場合、「社員への還元」「従業員満足度」は、最重要視はされていません。

「”もっと売上が上がったら”社員にも還元する」と会社経営において「補足的」に考えられがちです。

しかし、「従業員満足度」を最重要視し、すべてはそこからはじまると私は考えています。

未払い賃金など訴訟の増加、ワークスタイルの多様化、ブラック企業という言葉の定着。あきらかに会社に求められることはひと昔前と変わりました。これらの背景には誰しもが簡単に声をあげられるインターネットの普及、ソーシャルネットワークの影響も大きいでしょう。

これから起業を考えてみえる方や、労働環境に悩まれてみえる方は、是非この「インターナル・マーケティング」に基づく考えをとりいれてみてはいかがでしょうか。

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