Googleの検索結果がおかしい!?サイト改ざん事例・復旧方法
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Webサイトの改ざんは頻繁に起きることではありませんが、実際にあるクライアントが運営するホームページで、このようなトラブルが発生したことがあります。
- Webサイトが改ざんされた
- その影響でGoogle検索結果に表示されるページタイトルや説明文が、まったく関係のないデタラメなものに
- さらに検索キーワードによっては、表示される検索結果をクリックすると、まったく関係のないサイトが表示される
即座に対応し、無事復旧・解決しましたが、非常に悪質な事案でした。本記事では、同様のトラブルでお困りの方の参考になるよう、調査の過程から解決方法まで実例に基づいて解説します。対処には専門知識を要するため制作会社への相談をおすすめしますが、本記事でご紹介するケースと同様の事象であれば解決は可能ですので、まずはご安心ください。
この記事のポイント
- Googleの検索結果だけがおかしくなる改ざんは、sitemap.xmlの改ざんが原因のことがある
- 第三者が別サイトへのアクセスを稼ぐ目的で、無関係なサイトを踏み台にするケースがある
- WordPressの再インストール・Search Consoleでの再申請により復旧できる
- 不要なアカウント・プラグインの整理やアップデートなど、日頃の対策が予防につながる
この記事が向く人・向かない人
向く人
- Google検索結果に表示される自社サイトの情報がおかしいと感じている方
- サイト改ざんの原因調査・復旧の流れを知りたい方
- 今後のためにセキュリティ対策を見直したい方
向かない人
- すぐに専門家に対応を依頼したい方(→まずはお問い合わせください)
目次
どんな事象が起きたのか?
ご説明のため、アットノエル(attnoel.co.jp)のホームページが被害にあったと仮定して解説します。


例えば「会社名」で検索してみると、存在しないページ、扱っていない商品が検索結果に表示され、正常な状態と比較すると明らかにおかしいことがわかります。ページタイトルや説明文に加え、favicon(ページタイトル横のアイコン)まで、まったく関係のない他社のものになっていました。なお、Googleの検索エンジンを導入しているYahooも同じ状況でしたが、Microsoft社のbingでは問題ありませんでした。
- Google検索結果に表示されるページタイトルや説明文が、まったく関係のないデタラメなものに
- Google、Yahooともに同様の事象・bingは問題なし
- Webサイトの表示自体に問題は見受けられない
Googleの検索エンジンにおける問題のため、Google Search Consoleを使って詳しい状況を調べることにしました。
Google社が提供するウェブサイト管理者向けのツール。管理するウェブサイトのGoogle検索におけるパフォーマンスを監視、管理、改善するために使用します。平時であれば、ユーザーにどのようなキーワードで検索されているか等の確認のために使用します。
原因調査はどのように進めたのか?
Search Consoleで状況を把握する
Search Consoleへログインすると、おかしいのが一目瞭然でした。「インデックス登録済み」や「クロール済み – インデックス未登録」といったコンテンツが異常な量だったのです。
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簡単に言うと、実際は200ページ程しかないWebサイトなのに、Googleの検索エンジンには「53,371ページ存在している」とみなされている状態でした。しかも、まったく身に覚えのないURLが大量に登録されていました。
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これらのURLに実際にアクセスしてみると、リダイレクト(自動転送)され、海外のECサイトと思われるまったく関係のないサイトに遷移させられてしまいます。
なお、Googleの検索エンジンは、そのサイトにどんなページが存在するのかを把握するために「sitemap.xml」という検索エンジン用のファイルを読み込みます。つまり、この時点で「sitemap.xmlがおかしいのでは」という仮説が立ちました。
「sitemap.xml」を確認する
実際にsitemap.xmlを見てみると、こちらもおかしいのが一目瞭然でした。Search Consoleで確認されたものと同じようなURLが大量に記述されていました。
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このようなURLはサイト内に存在しません。この時点で、検索結果の表記がおかしいのは「sitemap.xml」が改ざんされていることが原因という可能性がかなり高くなりました。
「sitemap.xml」を修正する
そこで「sitemap.xml」を修正します。必要なURLのみの正しい「sitemap.xml」を用意し、サーバーへアップロードして上書きします。ただ、なぜsitemap.xmlが改ざんされているのかという根本的な部分が解決していないため、これだけでは終わりません。
サイト全体をスキャニングする
今回、被害に合ったWebサイトはWordPressで構築されていました。改ざんされているのは「sitemap.xml」だけではない可能性も考え、サイト全体をスキャニングします。すると案の定、怪しいファイルやコードがそこかしこに見受けられました。sitemap.xmlの設置場所を示す「robots.txt」も改ざんされていました。つまり、何者かがサイトをハッキングし、サイトを改ざんしたことになります。
- Google検索結果に表示されるページタイトルや説明文が、まったく関係のないデタラメなものに
- Google、Yahooともに同様の事象、bingは問題なし
- Webサイトの表示自体に問題は見受けられない
- サイト及びsitemap.xmlが改ざんされ、まったく身に覚えのないURLが、Googleのデータベースに大量に登録されている
- それらのURLへアクセスすると、まったく関係のない別のサイトへ遷移される
- データベース内に改ざんの形跡はなし
原因や影響範囲、その目的が見えてきました。つまり、悪意のある第三者が、自身が運営するサイトA(あるいは関係のあるサイト)のアクセスを増やすことを目的とし、関係のないサイトBへ侵入。sitemap.xmlに自身のサイトAのURLを大量に記述するようサイトを改ざんし、結果としてサイトAのページがサイトBのページだとGoogleに誤認され、検索結果も改ざんされたsitemap.xmlに準じたものになっていた、ということです。
どうやって修正・復旧したのか?
WordPressを再インストールする
まず改ざんされたWebサイトを正常な状態にします。しらみつぶしにファイルを修正するのでは埒があかないため、また改ざんファイルを徹底的にクリーンアップするためにも、WordPressの構成ファイルをすべて削除し、まっさらな状態でインストールし直しました。
1. 事前準備
「wp-content」ディレクトリ内のファイルは念のためダウンロードしておきます。改ざんされてはいますが、念のためのバックアップです。ダウンロードした「wp-content」内の「uploads」に含まれるファイル(管理画面からアップロードしたファイル)は再インストール後も使用します。テーマファイルがオリジナルで制作されたものであれば、こちらも再インストール後に使用します。また、再インストールに必要なデータベース情報が記載された「wp-config.php」のダウンロードもしておきます。管理画面から現状のWordPressのバージョンも確認し、同バージョンをWordPress公式サイトからダウンロードしておきます。
事前準備まとめ
- wp-content ディレクトリをダウンロードしておく
- wp-config.phpをダウンロードしておく
- WordPressのバージョンを控えておく
- 同バージョンのWordPressを公式からダウンロードしておく
2. 不審なファイルを確認・削除する
ダウンロードした「/wp-content/uploads/」内に不審なファイルがないか目視で確認します。身に覚えのないファイル、怪しいファイルがあれば削除します。テーマファイルがオリジナルで制作されたものであれば、こちらも目視でチェックのうえ修正します。
3. WordPressのファイルを入れ替える
WordPressがインストールされていたディレクトリをすべて削除します。この時点でWebサイトは見れなくなります。そのうえで、ダウンロードしておいた同バージョンのWordPress構成ファイル一式をアップロードし、サイトURLへアクセスしてWordPressをインストールし直します。この際、再インストール前の「wp-config.php」を確認し、同じデータベース情報を使ってインストールすることで、今までと同じアカウント情報で管理画面へログインできるようになります。
4. テーマ・プラグインを再インストールする
チェックした「/wp-content/uploads/」ディレクトリ、およびテーマファイルをアップロードします。市販や無料のテーマファイルであれば、公式サイトから再度ダウンロードし直し、まっさらな状態でインストールし直します。プラグインについても、バックアップで取得したものではなく、ダウンロード&インストールし直すことをおすすめします。
5. サイトの表示・挙動を確認する
ここまででサイトはひととおり元に戻ったはずです。念のため、サイトの表示や挙動を確認します。
6. sitemap.xmlを確認する
最後に、本来の目的であるsitemap.xmlが正しい状態か確認します。サイトの仕様によりますが、WordPressであれば以下の名称で生成されることが多いです。
- /sitemap.xml
- /wp-sitemap.xml
- /sitemap-index.xml
sitemap.xmlが正しく出力され、関係のないURLからリダイレクトされることもなくなり、404エラーが表示されるようになれば、サイトの復旧は完了です。
補足:試してだめだったこと
使用していたサーバーには「WordPressリカバリー」という機能があり、上記の復旧作業を簡単に行える機能でした。ただ今回のケースでは改ざんファイルを除去しきれなかったため、手動での削除・チェック・インストールし直しという経緯になりました。もう少し被害が軽ければ、こういったサーバー標準のリカバリー機能も有効かもしれません。
合わせて対応しておきたいこと:robots.txtによるクロールの制御
万が一、第三者の手によって同様のURLが生成されたとしても、クロールするなという指示をしておきます。
今回のケースの記述例
User-agent: *
Disallow: /*_gl=*
Disallow: /shopdetail/
修正した状態でSearch Consoleから申請する
ここまででサイトの修正・復旧は完了しました。ただし、このサイトの正常な状態をGoogleの検索エンジンにあらためて認識してもらわなければ、検索結果は元に戻りません。
関連記事:検索エンジンの仕組み
サイトマップを送信する
最新の正しいサイトマップを参照してくれるよう送信しておきます。「このサイトに存在するURLはこれらです」と、Googleのプログラムに伝えます。
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関係のないURLを一時削除する
関係のないURLには一定の規則性があったため、Search Console内「削除ツール」から削除の申請をしておきます。この削除ツールは一時的にGoogleの検索結果から特定のURLをブロックするものですが、コンテンツそのものがなくなれば、そのまま検索結果から消えていきます。
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削除ツールに関しては、Google公式のヘルプ「削除ツールとセーフサーチ レポートツール」がわかりやすいです。
URLの検査を行う
削除申請やサイトマップの再送信をしても、すぐに検索結果が変わるわけではありません。インターネット上を巡回してあらゆるサイトの情報を収集しているGoogleのプログラムがサイトへ訪問してくれないことには、検索結果は変わりません。そのため、よく検索されるキーワードで表示されるページや、トップページ等の重要なページは、この「URLの検査」から個別に申請しておきます。
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復旧までにどのくらいの時間がかかったのか?
これらの対処をした結果、数日で検索結果は正しい表示に概ね変わりました。faviconのみ少し時間がかかりましたが、1か月程で元に戻りました。
今後のためにどんな対策をすべきか?
今後のためにも、できることはすべてやっておくことをおすすめします。これらの基本対策を組み合わせることで、サイトのセキュリティレベルが大幅に向上します。
不要なアカウントを削除する
WordPressの使用していないアカウントがあれば削除しておきます。Webサイトをハッキングされた場合、知らないアカウントが作成されている可能性もあります。怪しいアカウントは迷わず削除しておきましょう。
各種パスワードを変更し、二段階認証を導入する
データベース、サーバー、WordPressアカウント等、念のためパスワードもすべて強固なものに変えておきます。データベースのパスワードを変えた場合、wp-config.phpの修正も必要ですのでご注意ください。
不要なテーマやプラグインを削除する
プログラムが多いほど脆弱性等のリスクが増えます。不要なプログラムはできるだけ削除しておきましょう。
PHPやWordPressをアップデートする
PHPやWordPress本体、各種プラグイン等、できるだけ最新版にアップデートしておきましょう。
海外からのアクセスを遮断する
サービス・事業・運用体制等の事情によっては難しい場合もありますが、そうでなければ海外からのアクセス、とりわけWordPressの管理画面へのアクセスは遮断しておきます。可能であれば、特定のIP以外はアクセスできないよう制御しておくことが望ましいです。
自社のホームページも改ざんされていないか確認する方法は?
Search Consoleの使い方がわからない、そもそも導入していない、という場合は、以下の方法でもチェックが可能です。新たな攻撃が日々生まれている以上、いずれの方法で安全性が確認できたからといって100%問題ないとは限りませんが、簡易的に調べるには充分です。
「site:(ドメイン名)」でGoogle検索する
Googleの検索窓に「site:(ドメイン名)」と入力して検索してみましょう。こうするとGoogleが認識しているそのドメイン内のページが検索結果に表示されます。その検索結果画面のページタイトルや説明文が不自然なもの・意図しないものに変わっている場合、今回のケース同様の改ざんが行われている可能性がかなり高いです。
Google セーフブラウジング
Webサイトの安全性を調べるためのサービスとして、Google社のセーフブラウジングがあります。調べたいサイトのURLを入力するだけで、悪意のあるコードやフィッシング等の危険性を判定します。
Sucuri SiteCheck
セキュリティ企業Sucuri社が提供するSucuri SiteCheckというサービスです。URLを入力するだけでセキュリティ診断ができます。MinimalからCriticalの5段階でサイトの危険性の評価を表示し、マルウェアやブラックリストへの登録状況等もリストとして表示されます。
VirusTotal URL Scan
Googleが呼びかけて世界の有識者やセキュリティ企業を集めたVirusTotalというサービスです。ファイルのアップロードやURLの入力で、複数のウイルス対策エンジンを使ってWebページの安全性を検査できます。「提供したデータは研究目的(検体)に提供される」ため、ファイルのアップロードをする際はご留意ください。
よくある質問
Q. 検索結果だけがおかしく、サイトの表示自体は正常な場合も改ざんの可能性はありますか?
A. あります。今回のケースのように、サイトの見た目は正常でも、sitemap.xmlなど検索エンジン向けのファイルだけが改ざんされているケースがあります。site:検索やSearch Consoleでの確認をおすすめします。
Q. 復旧にはどのくらいの専門知識が必要ですか?
A. WordPressの構成ファイルの扱い、サーバー・データベースの設定、Search Consoleの操作など、複数の専門知識が必要です。対応に不安がある場合は、制作会社への相談をおすすめします。
Q. 改ざん被害を防ぐために、日頃からできることは何ですか?
A. WordPress・プラグイン・PHPの定期的なアップデート、不要なアカウント・テーマ・プラグインの削除、強固なパスワードと二段階認証の導入、海外からのアクセス制限などが有効です。詳しくは「ホームページ制作・運用に関わるセキュリティ対策とは?」もご覧ください。
まとめ
今回のケースは、Googleの検索エンジンの仕組みを悪用し、第三者のサイトを踏み台にしてアクセスを稼ぐという、極めて悪質なものでした。Webサイトで集客している事業・企業においては、たとえ数日のことであっても、本来のコンテンツを見てくれるユーザーが激減してしまうため、影響は甚大です。
- 検索結果だけがおかしい場合、sitemap.xml等の改ざんを疑う
- WordPressの再インストールとSearch Consoleでの再申請で復旧できる
- 日頃のアップデート・アカウント整理・アクセス制限が予防につながる
こういった被害を防ぐためにも、普段からできる対策は打っておきたいところです。改ざんの復旧・対策・保守についてのご相談は、まずはお気軽にご連絡ください。
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2006年よりWebサイト制作・運用に携わる。2012年名古屋市にて株式会社アットノエルを創業。
建築・医療・製造業・士業・商社・小売業等、中小企業から上場企業まであらゆる業種のWeb活用を支援し、主にWebサイトの企画や運用サポート、お客さまの相談役を担っています。
「最適化」と「情報整理」が得意です。
»著者プロフィール
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