【GA4】初期設定ガイド〜最低限設定しておくべき箇所〜
この記事をご覧になっている方はご存知の方も多いと思いますが、2023年7月より、今まで使っていた Google Analytics UA(ユニバーサルアナリティクス)による、アクセスデータの取得ができなくなります。
Google Analyticsが新しくなると言っても、もはや別のアクセス解析サービスと言って良いくらい、まったく別の仕様になります。
後継のGaoogle Analytics4(GA4)へ、自動で引き継がれる設定もありますが、それでは不充分でアクセス解析に困ってしまう場合も多いでしょう。
また、今後GA4を新たに導入する場合も同様です。
「どこを設定しておけば良いのか分からない」とお困りの方へ向けて、最低限どこを設定しておくと良いのかまとめておこうと思います。
中小企業の一般的なホームページであれば、これらの設定でひとまず充分かと思います。
参考:ユニバーサル アナリティクスと Google アナリティクス 4 の根本的な違い
https://support.google.com/analytics/answer/13881440?hl=ja
注意:UAは2024年7月以降に閲覧もできなくなる見込みです
https://support.google.com/analytics/answer/11583528?hl=ja
目次
前提として、基本的かつ汎用性の高いオーソドックスな状況を想定しています。
- 新規でアカウントの発行から行う
- 手動でトラッキングコードを設置
アカウント・プロパティの作成
まずはこれまで同様、アカウント・プロパティの作成を行います。
アカウントの発行やプロパティの作成は問題なくできる方は「各種設定・連携」の項目へジャンプしてください。
GoogleAnalyticsへログインのうえ、画面左下の「歯車アイコン」より管理ページを開き、「+作成」「アカウント」の順にクリックします。
任意のアカウント名を入力し、「次へ」をクリック。
実際には会社名などにすると、管理しやすいかと思います。
なお、GoogleAnalyticsの仕様上、アカウント名は3文字以内だと「次へ」がクリックできません。4文字以上にしましょう。
任意のプロパティ名(サイト名やドメイン等)を入力、適切な「レポートのタイムゾーン」「通貨」をそれぞれ選択し、「次へ」をクリック。
なお、プロパティのこれらの設定は、後から変更も可能です。
「業種」や「ビジネスの規模」を選択し、次の画面へ。
サイトの目的を選択し、「作成」をクリック。
利用規約に同意します。
データ収集したいプラットフォームを選択します。
ここでは「ウェブ」つまりWebサイトを選択します。
最後にWebサイトのURLを選択・入力し、任意のストリーム名(ドメインやサイト名など)を入力。
「ストリームを作成」をクリックします。
これで、アカウント・プロパティの作成は完了です。
この画面はまだ閉じずに、このまま「トラッキングコード」を設置しましょう。
それまで、UAのトラッキングコードを使用していた場合は、ついでに削除しておきましょう。
トラッキングコードの設置
先程の画面から「タグの実装手順を表示する」をクリックします。
「手動でインストールする」のタブを選択すると、トラッキングコードが確認できます。
コピーのうえ、該当サイトの<head>タグ内に設置しましょう。
これでひとまずGA4の導入ができました。
なお、GA4では、データ反映に24時間~48時間かかるとされています。
レポートとデータ探索ツールでは、多くの場合、ウェブサイトまたはアプリのデータの処理に 24~48 時間かかることがあります。リアルタイム レポートと DebugView レポートを使用すると、ウェブサイトまたはアプリでデータが正常に収集されていることを確認できます。
下記の画面より、きちんと収集されているか確認できます。
各種設定・連携箇所
ここから、各種設定を説明してまいります。
既存のUAからGA4のプロパティが自動生成された場合等も、あらためてチェックしてみましょう。
Google シグナルの有効化
Googleシグナルとは、Google アカウントを使って、ユーザーの動きを把握する技術です。
※アクセスデータへ「しきい値(アクセスデータから個人を推測しにくくする仕組み)」を適用したくない場合など、オフにしたい場合もありますが、ここでは割愛します。
イベントデータ保持期間の変更
これまで使用していたUAでは、設定後すべてのデータの閲覧ができました。しかしGA4の場合、この「イベント期間」を経過したデータは「データ探索ツール」にて使用できなくなります。
初期設定では、イベントデータの保持がわずか「2ヶ月」となっているため、最長の「14ヶ月」へと変更しておきましょう。
関係者のアクセスデータの除外
できるだけ正確な分析をするためにも、わたしたちのような制作者、運営者等、関係者のアクセスは計測されないように設定しておきましょう。
固定IPアドレスの場合
ネットワークが固定IPアドレスを使用している場合は、サイト運営関係者のアクセスが集計されないよう、除外設定しておきましょう。
※動的(変動)IPアドレスでも設定は可能ですが、定期的に設定を変えなければならないため、あまり現実的ではありません。
1.内部トラフィックの定義を設定
まずは内部トラフィックの定義づけです。
「管理」→「データの収集と修正」→「データストリーム」と進み、該当のストリームをクリックします。
開いた画面を下の方までスクロールし「タグ設定を行う」をクリック。
開いた画面の最下部にある「もっと見る」をクリック。
追加で表示された項目のなかから「内部トラフィックの定義」をクリック。
画面右上「作成」ボタンをクリックします。
各項目を入力・選択し、画面右上「作成」ボタンをクリックすれば、内部トラフィックの定義の作成完了です。
ルール名 | 「本社IP」等、わかりやすいルール名をつけておきましょう |
---|---|
trafic_typeの値 | internal |
マッチタイプ | IPアドレスが次と等しい |
値 | IPアドレスを入力してください |
2.フィルタを有効化
次に定義した内部トラフィックをフィルタとして有効化します。
「管理」→「データの収集と修正」→「データフィルタ」と進み、フィルタを有効化すれば設定完了です。
WordPress等の場合
GoogleAnalyticsの設定からは少し話が脱線しますが、WordPressをはじめとしたCMS等を使用したサイトであれば、ログアウトした状態での閲覧のみ、トラッキングコードが表示されるようにしておくことで、最低限、CMS管理者のアクセスは除外できます。
動的(変動)IPアドレスを使用しており、かつCMSを利用している場合は対応しておくことをオススメします。
記述例
Google 広告のリンク
UAでもGoogle 広告アカウントとリンクさせ、計測や分析をしていたかと思います。
Google広告を使用している場合は、GA4でも同様にGoogle広告のアカウントと連携しておきます。
設定しようとしているGA4のGoogleIDにて管理しているGoogle 広告アカウントに限られますので、両IDが別々なのであれば、GA4のIDへ広告のアカウントの管理者権限を付与させておきましょう。
Merchant Center のリンク
Googleショッピングに商品を掲載している場合等、Merchant Centerを利用している場合は、こちらも連携しておきます。
Search Console のリンク
GA同様、どんなサイトでもほぼ必須と言っていいほど導入することの多いSearch Console。こちらも必ずリンクしておきましょう。
リンクすることで、GA4の画面上でクエリの確認が容易になります。
Search Consoleのレポート有効化
注意しておきたいのが、リンクをしただけでは、Search Consoleで取得したクエリの確認ができないこと。
ライブラリからこのレポートを有効化(公開)することで、メニューが表示されるようになります。
拡張測定機能設定をすべてONにする
「管理」→「データストリーム」→「対象データストリーム」をクリック→「拡張計測機能の設定(歯車アイコン)」をクリックし、設定画面へ進みます。
測定が必要なイベントのマークをオンにし、同画面右上の「保存」をクリックしましょう。
別途カスタムイベントとして類似イベントを計測する場合等を除き、基本的にはすべてオンにしておいても問題ありません。
フォームのコンバージョン設定
お問い合わせフォームや、お見積り依頼フォームなど、GA4におけるフォームのコンバージョン計測は下記2ステップになります。
- カスタムイベントにてコンバージョン条件を設定する
- そのイベントが発生した際にコンバージョンとしてマークをつける
GA4でのコンバージョン計測は、これまで使用していたUAのそれと大きく異なっています。
GA4は「イベント」という単位でユーザーの行動を計測しているため、そもそもUAのように「目標」という設定項目は存在しません。
この「イベント」において自動計測される指標は、クリックやスクロール、ページビューなどがありますが、コンバージョン設定においては、「指定した送信完了ページの“ページビュー数”」を計測できるよう設定することで、「コンバージョン数」をカウントできるようになります。
このように、GA4が自動で計測しているイベントの中から、特定の条件を追加したイベントを「カスタムイベント」と呼びます。
1.カスタムイベントにてコンバージョン条件を設定する
管理メニューより、データの表示 > イベント と進みます。ここに、対象期間に発生したイベントが一覧として表示されます。
「イベントを作成」から、カスタムイベントの設定に進みます。
カスタムイベント名は、管理しやすくわかりやすい名前をつけておきましょう。
一致する条件の入力例は下記になります。
パラメータ | 演算子 | 値 |
---|---|---|
event_name | 次と等しい | page_view |
page_location | 次を含む | /contact/thanks/ |
なお、次の「2.そのイベントが発生した際にコンバージョンとしてマークをつける」は、設定したカスタムイベントが発生しデータが反映されるまで設定できません。テスト送信を行ったうえでリアルタイム計測にてイベントとして計測されているか確認しておき、翌日以降に設定するのがベターです。
2.そのイベントが発生した際にコンバージョンとしてマークをつける
先程のイベントページより、該当のカスタムイベントの「コンバージョンとしてマークをつける」をオンにしましょう。
これでフォームのコンバージョン設定は完了です。
電話をかけるボタンのコンバージョン設定
スマホでの表示において「電話をかけるボタン」を設置することも多いでしょう。
こちらもコンバージョン設定をしておきます。
下記3ステップになります。
- カスタム定義(カスタムディメンション)を設定する
- カスタムイベントにてコンバージョン条件を設定する
- そのイベントが発生した際にコンバージョンとしてマークをつける
1.カスタム定義(カスタムディメンション)を設定する
管理メニューより、データの表示 > カスタム定義 と進みます。「カスタムディメンションを作成」をクリックしましょう。
各項目を入力・選択し、画面右上のボタンから「保存」します。
ディメンション名 | link_url |
---|---|
説明 | わかりやすい説明を入力しておきましょう。空欄でもかまいません。 |
範囲 | イベント |
イベントパラメータ | link_urlを選択 |
※ちなみに、カスタムディメンションは一度作成すると削除することができません(無効化や編集は可能)
2.カスタムイベントにてコンバージョン条件を設定する
管理メニューより、データの表示 > イベント と進み、「イベントを作成」から、カスタムイベントの設定に進みます。
カスタムイベント名は、管理しやすくわかりやすい名前をつけておきましょう。
一致する条件の入力例は下記になります。
パラメータ | 演算子 | 値 |
---|---|---|
event_name | 次と等しい | click |
link_url | 次を含む | tel: |
複数の電話番号がある場合は、値を「tel:」ではなく、電話番号にすることで電話番号ごとの計測もできます。(さらに言えば、例えば「LINEのともだち追加ボタン」等も同様の手順・方法で計測できます)
3.そのイベントが発生した際にコンバージョンとしてマークをつける
フォームのコンバージョン設定と同様、イベントページより、該当カスタムイベントの「コンバージョンとしてマークをつける」をオンにしましょう。
これで「電話をかけるボタン」のコンバージョン設定は完了です。
注意点として、このコンバージョンとしてマークをつけるのは、設定したカスタムイベントが発生し、データとして反映されるまで設定できません。カスタムイベント設定時に、テストを兼ねて電話ボタンをタップ、リアルタイム計測できちんとイベントとして計測されているかどうか確認したうえで、翌日以降に設定するのがベターです。
なお、実際に電話をかけなくとも、タップさえすれば計測されます。
おわりに
設定おつかれさまでした。いかがだったでしょうか?
使い慣れたUAとはだいぶ異なるため、はじめは少し戸惑うこともあるかもしれませんが、慣れてしまえばそこまで大変な設定ではありません。
アクセス状況をしっかり把握するためにも、きちんと設定しておきましょうね。
某ECサイト運営スタッフ、店長を経て、2019年アットノエル入社。 Webディレクターとして、プロジェクト管理・フォローをメインに活躍中。
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